これまでお金を借りたことがない人にとって、初めてカードローンを申し込むときは緊張するものです。自分は本当にお金を借りることが出来るのか、利用限度額はいくらになるのかといった不安もあるでしょう。
貸金業者にとって、利用者の限度額設定は慎重に行うべきものです。高すぎても多重債務の危険性が増しますし、低すぎたり審査に弾いたりしてしまえば、利用者は他の貸金業者に流れてしまいます。
今回は、「カードローンを初めて申し込む人」に向けて、審査がどのような観点で評価されるのかと、限度額はどうやって決まるのかを解説していきます。自分の環境や収入ではこのくらい借りられるという想定を知ることは、計画的な借り入れの手助けとなることでしょう。
カードローンを初めて利用するときは、何もかも手探りの状態です。自分が貸金業者にとってどんな評価をされるのか知らない状態では、適切な借り入れは出来ません。まずは、自分はカードローンを提供する企業にとってどういった存在であるかを自覚しましょう。
お金を貸す立場から見た時、これまで借り入れを全くしてこなかった相手は、新規顧客という意味ではありがたい存在ですが、返済実績が全くないので信頼できる融資相手とは認められません。
借り入れをしたことが無い人は、金融事故が一切ないので貸金業者の評価が高いと考える人がいますが、実際は全く逆です。借り入れをしたことが無いということは「その人が返済をきちんとすることが出来るという保証が全くない」と貸金業者は考えます。
カードローンを利用している人に比べて、初めて契約する人は信用が低く、利用限度額は低くなるという傾向を知っておきましょう。それを踏まえたうえで、自分の顧客評価の審査が始まるのです。
カードローンを利用したことが無い人が誤解していることで一番多いのが、利用限度額と金利の関係です。消費者金融や銀行のカードローンの概要を見ると、金利については大体どこも同じような記述があります。「金利○%~○%」と書かれていて、利用金額によって課される金利が分かれている表記になっています。
例えば、50万円以下は14.6%、100万円以上200万円未満で10%、200万円以上300万円未満で8%などと記載されているとします。基本的には金額が大きくなればなるほど金利が小さくなっていきます。
知っておいてほしいのは、この金利の分類は「その額を借りた時に課されるものではなく、限度額がそのエリアにある時に設定される金利である」ということです。
少しわかりにくいので簡単に解説しましょう。例えば、AさんとBさんがいるとします。Aさんは返済能力が高く、利用限度額は250万円になりました。Bさんは返済能力が低く、利用限度額は30万円です。金利は上述した例の通りだとします。
このとき、2人が10万円の借り入れをしたとき、Aさんは10万円を8%の金利で借りることが出来るのに対して、Bさんは10万円を14.6%で借りなくてはいけないのです。
つまり、利用限度額に応じて金利が決まるというのは、「いくら借りたから金利はいくつというのではなく、この人の限度額はいくらだから利用金額にかかわらず金利はこの利率」というように、借り入れ金額ではなく利用限度額に基づいて金利が決められるのです。
ここまで言えば、もうお分かりかと思いますが、利用限度額は高いほど小さな金利で借り入れをすることが出来るため、限度額は大きければ大きいほど利用者にとってはありがたいのです。
カードローンを利用するとき、利用限度額が高いほど、どんな額でも低い金利で利用できるため、利用する人としては貸金業者に高い評価をもらおうとします。
限度額を決めるのは審査です。審査では大きく分けて、債務実績審査・収入審査・他行の債務状況審査・個人の環境審査の4つがあります。これらの審査を総合的に行って、利用者の限度額を決めます。
どの貸金業者・カードローンでも重視する内容は決まっているものもあります。契約するときに、過去に金融事故( 債務整理や代位弁済)の記録が無いこと、収入が一定以上の期間あること(最低半年は欲しい)、住所があること(住所不定だとまず契約できない)です。
これらを満たして初めてきちんとした審査に進むことが出来ます。審査は消費者金融と銀行で特徴に違いがあるので、補足を挟んで、それぞれの審査を解説していきます。
何度も借り入れをしたことがある人と、今まで一度の借り入れをしておらず、初めてカードローンを申し込む人では、返済実績に大きな隔たりがあります。
最も返済実績の評価が低いのは、金融事故歴がある人です。これは、通称ブラックと呼ばれ、「借り入れ自体が出来ない状態」になっています。
一度も借り入れをしていない人は、通称ホワイトと呼ばれます。なぜホワイトなのかというと、信用情報機関の債務履歴の欄に何も記載されておらず、履歴が真っ白だからです。就職活動での履歴書で例えると、ブラックの人は自己過失による懲戒免職を受けた記載がある人、ホワイトは職業欄が空欄の人です。どちらも雇う側からすれば不安があるのです。
マイナス評価のこれといった明確な基準があるわけではありませんが、おおよその目安はあります。同じような収入・環境・勤続年数・年齢の不たちがいたとして、借り入れを何度も完済している人と比較して、およそ半分から7割程度の限度額になると考えると、予想から大きく外れることはないでしょう。
今まで借り入れしていないからという理由のみで、審査で即座に弾かれることは絶対にありません。しかし、実績がないというマイナスはどうしてもなくなりません。初めて借り入れをするときは、少し限度額が低くなるのは避けられないのです。
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さて、ここからは実際にカードローンを申し込んでからの内容になります。銀行のカードローンは限度額が総量規制の対象になりません。総量規制とは、債務者(お金を借りる人)の債務合計が年収の3分の1を超えてはならないという規則のことです。
貸金業法という法律によって決められた規則であり、これを超えて消費者金融は利用者にお金を貸すことが出来ません。悪徳金融(ヤミ金)はこれを無視するので注意が必要ですが、銀行カードローンはそもそもこの総量規制の対象外の融資が出来ます。
最近では、銀行の過剰な貸し付けが問題になっていますが、基本的には、銀行は慎重な性格で返済が出来ると判断した人にしか融資を行いません。なぜ、銀行の過剰融資が問題になっているのかと言えば、マイナス金利導入による銀行の利益減少の損失を埋めるために、利ざやが大きいカードローン事業に入れ込んでいるためです。
個人に融資するカードローンは金利が企業貸付に比べて大きく、不景気の影響もあって企業が銀行からお金を借りることが少なくなりました。銀行には多額の資金が遊んだ状態になっている現状を回避したいという思惑があり、総量規制の影響を受けず個人に多額の融資が出来るカードローンに利用価値を見出したのがこの問題の根本です。
少し脱線しましたが、このような例は稀であり、基本的にお金を返せると審査で判断されなければ、カードローンは利用できません。銀行の審査は非常に細かいところまで審査対象になります。例えば、家族構成や居住年数などの一見すれば借り入れとは全く関係ないような部分まで審査に入るのです。
利用者がいくら収入があるか、他の貸金業者からどのくらいの借り入れをしているかというようなものではなく、「利用者の現在の生活環境や引っ越しなどの居住移動の可能性の高さを評価する」のが環境審査であり、銀行カードローンはこれを重視します。
極端な話ですが、利用者に環境のしがらみがあればあるほど、夜逃げや踏み倒しなどが起こりにくいので、家族と同居していることや一戸建てに住んでいるなどの項目で、プラスの評価になるのです。
銀行の審査に比べて、消費者金融の審査は時間も速く比較的緩いと言われています。緩いと言っても見るべきところはしっかりと見ており、誰でもカードローンが利用できるわけではありません。
消費者金融では、基本的に初めてカードローンを利用する人にいきなり高い限度額を設定することはありません。意外に思われる人もいると思いますが、銀行カードローンは初めてであっても条件さえ満たせば高額の融資が可能になることはあります。しかし、消費者金融はいきなり高額の借り入れをするのが極めて難しい貸金業者なのです。
消費者金融の融資は、基本的に回数をこなして信頼を得ることによって、金利の低い借り入れをするようにできています。審査を簡略化すると、どうしても金利を低くすることが出来なくなることと、申し込みから借り入れまでに時間をとらないようにサービスを展開するのが、消費者金融カードローンの強みだからです。
出来るだけ限度額が高い方が良いといっても、審査によってはどうしようもないこともあります。収入や 勤続年数は一朝一夕には改善出来ませんし、住んでいる場所も容易には変えられないでしょう。他行の借り入れ状況は、返済が完了すれば改善できます。
限度額を上げるには、どうしても一定期間の利用が不可欠になります。審査を受けてからすぐに限度額を上げることは出来ないので、カードローンが使えるようになったら、少しずつ利用と返済を繰り返して、貸金業者に信頼できる相手であることを示すことが重要になります。
限度額を上げる上で最も守るべきことは、一度に借り過ぎず、かつ返済を絶対に遅らせないことです。
借り入れをするのは必要なことですが、このさじ加減が難しいと言われています。借り過ぎてもお金に困っている印象を与えマイナス評価になり、借り入れが少なすぎても限度額を上げる必要が無いと判断されてしまいます。
自分が必要な時に少しずつ借りるのが結果的に一番いい方法なので、限度額を上げることを意識するよりも、返済を確実にこなすことを重視して利用しましょう。
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