ろうきん(労働金庫)にもお金を借りることが出来るサービスがあります。対象者は労働組合員や生協職員などですが、一般企業の会社員などもお金を借りることが出来ます。
ろうきんカードローンは、消費者金融や銀行のカードローンとは大きく特徴が異なります。特性を理解していないと利用するのに適しませんが、自分の利用スタイルとマッチしていれば、銀行や消費者金融のカードローンよりも便利なものになります。
そんな融資商品である「ろうきんカードローン(マイプラン)」を解説していきます。金利を低くして借り入れしたい人や、労働金庫の団体に属している人で、カードローンなど借り入れを検討している人は、参考に知っておくといいでしょう。
まず、ろうきんカードローン(以降マイプランと呼称)は金利が通常の貸金業者に比べて極めて低いのが最大の特徴です。マイプランを利用するメリットは何かと言われれば、ほとんどの人がこの点を挙げるでしょう。
マイプランの金利は利用者の身分によって3つに分けられており、一般の利用者であっても最高で年利8.475%と非常に低い水準で借り入れをすることが可能です。(消費者金融では14%前後・銀行でも12%前後)
団体会員・生協会員とその家族・それ以外の一般利用者という3つに区分されており、挙げた順で金利が低いカードローンを利用できます。
これだけで分かることですが、マイプランの利用に適しているのは、団体会員と生協会員です。団体会員の定義は、詳しくホームページに記載してあります。かいつまんで述べると、中央労働金庫に出資している労働組合・公務員団体・複利共済団体の構成員です。生協会員は、中央労働金庫に出資している生協のうち、生協組合員融資制度を導入している生協組合員とその家族を指しています。
これらに該当する人は、マイプランによる借り入れで金利優遇措置を受けることが出来るので、借り入れの候補に十分入ってくるでしょう。
マイプランの借り入れには、少し変わった制度があります。それが、「金利引き下げ制度」というものです。マイプランで借り入れをするときは、これを活用できるかどうかが、非常に重要であり、可能な限りこの条件を満たすような手続きを行うことが求められます。
金利引き下げ制度を最大限に活用すれば、最高で3.2%の年利引き下げを行うことが出来、それによって下がった金利は、50万円未満の融資が可能な貸金業の中で、最も低い金利で借り入れできるプランになります。
では、具体的にどんなことをすれば、金利をさらに下げるこの制度が使えるのかという話をしましょう。簡単に言えば、ろうきんを口座を広範囲目的で利用すればするほど金利を下げることが出来るようになります。
金利引き下げ制度では、特定の行為・手続き・登録をすることにより、一つあたり0.3~1.5%の金利引き下げが出来るようになっています。それらを組み合わせて、最高で3.2%の金利を減らしたマイプランを契約できます。
いくつか例を紹介しましょう。給与または年金振込口座に指定すると1.5%、インターネットバンキングに登録すると0.6%、若年者であること(30歳未満)で0.6%、2種以上の公共料金自動支払いに登録すると0.3%、フラット35の契約をすると0.3%の引き下げなどです。ただし、いくつかを組み合わせて3.2%を超える引き下げ幅になっても、最高で3.2%までしか下げることは出来ません。
この項目はホームページ上に公開されているので、必ず確認しましょう。マイプランを利用するときは、こうした金利引き下げ制度を併用することは、効果的な利用に必須と言っても良いです。
金利だけで見れば、ろうきんのマイプランはこれ以上ないほどに優秀な金融商品です。とくに、限度額が低い人は、銀行であっても年利10%以上でしか融資しませんが、マイプランはそれよりさらに低い金利で借りることが出来るため、基準さえ満たしていれば断然有利な借り入れが出来ます。
要するに、すぐに借りたいという人には致命的に向いていないのがマイプランの欠点なのです。消費者金融では当日、銀行でもどんなに遅くても1週間以内には借り入れが出来るというのに、マイプランでは仮審査の結果が出るまでですら1週間かかり、そこからさらに実際に融資が出来るかわかるまで1週間もかかるのです。
マイプランを利用するのであれば、お金が必要になってから申し込むのではなく、最初からここを利用するという目処を立てて、借り入れを利用する前からカードだけでも作っておくことを強く勧めます。
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マイプランの経営戦略を一言で言うなら、「薄利多売」です。多くの人に低金利による融資をして、回収率を上げることと、広く多くの人に利用してもらうことで安定した利益を確保しています。その戦略上、一人の人に多くを貸すことはあまりありません。制度にも、その特徴があらわれています。
団体会員と生協会員以外の借り入れでは、最高でも100万円までしか借りることが出来ませんし、この2者であっても300万円を超える借り入れをする場合は、さらに厳しい審査があります。
300万円以上を借りる場合、団体会員では「勤続年数が5年以上かつ年収が500万円以上」、生協会員は「勤続年数が5年以上かつ年収が限度額の倍以上あること」という条件が付きます。
金利が低いため、限度額自体を高くする必要性はあまりないのですが、一度に借りることが出来る金額が他の貸金業者に比べてかなり低いので、マイプランは年収でいえば200~300万円の利用者が最も相性が良い借り入れプランだと言えます。
さらに、利用するには別途「保証料」というものがかかってきます。年利0.8~1.2%(利用者区分により異なる)を金利に追加することを知っておきましょう。それでも他の貸金業者より低金利で利用できます。
これまで説明してきたように、マイプランは借り入れ商品としては、かなり尖った性能があります。向き不向きがここまではっきりとしているカードローンも珍しく、欠点をうまく補うことが重要になってきます。
マイプランの弱点は、柔軟性が無いことと、高額の借り入れに無力なことです。前者は資金が必要になる前から契約しておけばある程度回避できますが、後者はいかんともしがたいです。
マイプランで利用できない高額の借り入れに備えて、銀行カードローンを一つ、念のために契約しておくことは理に適っています。
通常、複数のカードローンを契約するのは多重債務のリスクが高まるために推奨されていませんが、それはあくまで「同程度の機能があるカードローン会社で同時契約すること」に対してです。今回のように、目的別の一つずつのカードローンを契約するのは、柔軟な対応をするためにむしろ必要なことだけ筆者は捉えています。
貸金業者は、それぞれ強みを持っています。低額借り入れにサービスの重点を置いている労働金庫、高額借り入れを重視している銀行、利便性を追求した消費者金融など、それぞれ得意とする分野が異なる業種では、自分がどんな状況にも対処できるように、複数の借り入れ契約を結んでおくことは決して悪いことではないのです。
カードローンなどを複数利用すると、場合によっては、同時期にいくつかの借り入れが重複することがあります。「銀行から50万円借りて、消費者金融から20万円借りて、ろうきんから30万円借りたけど、どうやって返済しよう?」という問題になったりします。
こうなったときに、余ったお金をどのように分配するかは意外と難しい問題になります。前提として、毎月の収入を生活費を除き約定返済に割きます。その後余剰資金をどの程度債務返済に充てるかを決定し、それをどのように振り分けるかを決定するということになるでしょう。
複数の債務返済において最も重要なのは、自分が支払う金利の合計が低くなるように返済することですが、それはその月だけではなく、返済完了までのすべての期間を見据えて決めなくてはいけないということです。
何が言いたいかというと、借り入れがある状態の貸金業者の数を減らすことを優先すべきであるということです。先の例で言えば、50万円の余剰資金があったときに、銀行には最低限の返済だけにして、消費者金融の20万円とろうきんの30万円を完済してしまった方が、将来的な金利を小さくしやすいということです。
複数の債務がある状況では、原則として、「金利が高い利用先の返済を優先する」、「一度で完済できる場合は金利よりもそちらを優先する」という規則に基づいて返済することで、将来的な支出を抑えることが出来ます。
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最後に、マイプランをより効果的に利用するために知っておくべきことを解説していきます。まず、複数の借り入れを考えている場合、他の借り入れをするのはマイプランで限度額一杯まで借りて、それでも足りないときだけにしましょう。
例えば、180万円必要で、マイプランの限度額が100万円なら、銀行カードローン限度額が50万円、消費者金融の限度額が100万円で、金利がマイプラン<銀行<消費者金融なら、それぞれ100万円、50万円、30万円という借り方にして、返済を行う順番は、消費者金融、銀行、マイプランという順番にします。
金利が低いという特徴は、借り入れにおいて非常に強いアドバンテージになります。団体会員や生協会員であれば、下手な銀行カードローンを組むよりよほどマイプランの方が優れた金融商品になり得ます。限度額も300万円までは審査が変わることが無く、まさに会員向けのカードローンと言えます。
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