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どんなリスクが?カードローン契約時に収入の嘘をつくデメリットとは

カードローンを申し込むときに、貸金業者に教えるべき情報がいくつかあります。

自分の氏名や住所などの個人情報、どこに勤めていて何年働いているかといった勤務情報、収入はどのくらいあり、他に借金があるか、家族構成や住んでいる家はどんな家かという属性情報などです。

お金を借りるときに特に重要なのが、他の貸金業者からの借り入れに関してと、収入に関しての情報になります。今回は、この部分で少しでも相手に良く見せたいと考えて、嘘の申告をするとどうなるのかを解説していきます。

カードローン審査における基礎と仕組みを知っておこう!

カードローンを利用するために貸金業者との間に結ぶのは「債務契約」というものです。債務契約とは、債権者が債務者に対して一定の金利を含めた資金を貸与することです。

債務契約は、「個人間契約」・「個人企業間契約」・「企業間契約」の3種類があり、カードローンは、利用者個人と銀行や消費者金融といった企業との間で行うため、「個人企業間契約」に該当します。

融資相手が利用者個人である契約のため、利用者はカードローンで借りたお金を、事業資金などの企業活動に利用することが出来ないのです。

債権者側は、利用者が資金の返済が出来るかどうかを判断するとともに、適切な融資額を決めるという目的のもと、債務者側に情報の開示を求めます。

これが、申し込みの際に必要になる情報ということになります。具体的には、利用する自分が何処の誰であり、どこに勤めており、どんな生活をしていて、どのくらいの収入があるかという情報です。

つまり、この情報をもとに債権者(銀行や消費者金融)は債務者である私たちにいくら貸すのが妥当であるかを判断しているのです。

契約時についやってしまいがちな嘘はどんな種類のもの?

契約を申し込むときに私たち利用者がつい嘘をついてしまうほとんどの理由は、大きく分けて2つしかありません。

相手に自分のある特定の情報を伝えるのが後ろめたいと感じて、それを誤魔化すために偽りの情報を記載してしまうパターン。もう一つは、自分の情報を正確に伝えてしまうと希望が叶わないと思っていて、それを避けるために嘘の情報を記載してしまうパターンです。

前者の例として、自分が以前借り入れで延滞をしてしまったことがあるという事実を言わなかったり、在籍確認で会社に借金の事実が知られたくなくて、別の会社の連絡先をでっち上げたり、職業で風俗業などに従事しているけど、恥ずかしくて正直に言えず、会社員だと嘘をついてしまうようなケースです。

後者の例では、他の貸金業者から借金があるけど、それを伝えると借り入れが出来なくなりそうだからわざとその内容を伝えなかったり、年収を正直に伝えると希望額の借り入れが出来なそうだから、嘘の年収を記載してしまうようなケースです。

契約時に嘘を吐こうと思っている人に断言しておきますが、企業相手に個人レベルでの嘘は確実に発覚します。

こんな断言をすると、「以前借り入れで嘘をついたことがあるが、何も問題にならなかったことがあるぞ!」という人も出てくるでしょう。確かに、嘘の情報を伝えても何の咎めもないケースがあります。

契約時に嘘の申告をしても咎められない、又は問題にならないケースを幾つか紹介しておきます。

  • 事実の情報との誤差が小さく、審査において無視できるレベルの内容である場合
  • 事実の情報の方が嘘の内容より、審査において高評価を付けられる内容だった場合
  • 嘘の情報を認めたとしても、融資が認められないと判断される審査内容であった場合

これらに該当する場合、銀行や貸金業者は嘘に対して寛容な姿勢をとることが多いです。例えば、収入が545万円のところを550万円と申告し、30万円の借り入れをするような場合、告げられた情報が嘘と事実、どちらであっても借り入れ判断は変化せず、誤差と判断されます。

「申告と事実収入の額が違った」という理由で借り入れを断ったりしません。

それは収入に限らず、他の項目でも同じです。勤続年数を1ヶ月程度水増ししても、さほど審査に影響はありませんし、同居している家族の数を一人ぐらい減らそうが増やそうが、借り入れできる金額が大きく変わることはないので、大目に見てもらえるでしょう。

要するに、嘘を吐くにしても、それが問題になるのは、その嘘によって本来の審査が適正にできなくなるほどであるかどうかということなのです。

【こちらの記事も参考にどうぞ!】
どうなってるの?水商売だとカードローン審査は厳しいのかについて

年収の嘘は問題になりやすい!どんなリスクがあるか

さて、カードローンの申し込みにおいて、多少の嘘は見逃してもらえることもあるという内容を解説してきましたが、実際は甘く考えてはいけません。

特に、勤務先の情報と年収の情報は、嘘が許されないケースが大半です。「さっきと言ってることが違うじゃないか」と思う人もいるかもしれませんが、同じです。

先の例は、収入を数万円単位でまとめても、審査結果が変わらない範囲での話でした。ここで取り上げるのは、収入の水増し額が大きく、本来の収入とはかけ離れているケースです。

例えば、収入が100万円の人が消費者金融から40万円の借り入れをしたいと思っても、総量規制という法律上、不可能です。そこで収入を150万円と偽り、契約しようとしたような問題についてです。

他には、「アリバイ会社」と呼ばれるものを利用したケースがあります。中小零細企業に勤務したばかりで、勤続年数がほとんどない場合、貸金業者の評価はかなり低くなります。そこで、嘘の会社(大企業)に長期間(10年以上)勤めていると偽り、審査における信用を不当に得ようとした場合です。

こうした収入額の大きな偽装、及び勤務先の虚偽申告、収入証明書(源泉徴収票が特に多い)の偽造は、れっきとした刑法犯罪になります。貸金業者から起訴されれば高確率で負け、損害賠償や懲役刑を科されることになります。

収入額の誤魔化しと嘘の収入証明書をでっち上げるのは「私文書偽造罪」、アリバイ会社を利用し、嘘の会社に勤めていると偽り、借り入れを不当に契約した場合は「詐欺罪」で起訴されます。この二つは貸金業者も特に容赦無く訴えてくるので、絶対にやらないようにした方が身のためでしょう。

故意でなく過失で間違えてしまったときも訴えられるの?

貸金業者を意図的に騙して高額な借り入れをしようとしたのではなく、契約の際に間違って記入してしまい、その内容で審査を受けることになってしまった場合は、どうなるのかという疑問を持つ人もたくさんいます。

結論を先に言えば、過失による記入間違いの場合は、罪に問われることはありません。しかし、審査自体は弾かれてしまうことが多いでしょう。

では、どうやって故意か過失かを判断するのかという話になってきます。故意に借り入れをしようとしたが、早々に発覚したので、「あくまで過失だった」と言い張る人間もいるのです。

嘘の情報が故意であったか過失であったかを知らべる方法として、間違える内容として納得できるかどうかの妥当性を調べることになります。

例えば収入記載の欄で、200万円を2000万円と間違えて記載することはあっても、150万円を400万円と間違えることはないでしょう。収入証明書は企業に確認を取れば、偽造したかの判断は容易です。

勤務先の電話番号で数字を間違えて在籍確認が出来ないことはあっても、本来とは全く別の番号につながり、それが在籍確認を代行する企業であることなどあり得ないということも、過失かどうかを判断する指標になります。

この時に気を付けなくてはいけないのは、過失であると判断できた場合であっても、「契約書内容に不備があった」という理由で、その企業からは借り入れが出来なくなることです。カードローンなどの債務契約では、記入した内容をもう一度確認する習慣を必ずつけておきましょう。

カードローンの審査官を騙しきることは非常に難しい?

そもそもの話、収入で嘘の申告をして、それを相手に信じさせたうえで借り入れをすることは可能なのかという話をしておきます。これを知ると、嘘の収入を記入することが馬鹿らしくなると思います。合理主義者であっても、リスクとリターンが釣り合っていないと感じるでしょう。

カードローンの年間利用者は、大手の貸金業者で数万人から数十万人、中小であっても数千人から数万人ほどです。

信じられないかもしれませんが、審査官は、これだけの相手を審査していると、相手の年齢、勤務先、勤続年数から、おおよその地位と収入が分かるようになると言われています。その中で、違和感を覚えた契約者をピックアップして個別に調べることがあります。

年齢と勤続年収に対して収入が不自然に高い場合は、年収を偽っている可能性があると判断されるのです。よく、カードローンのホームページに「審査によっては収入を証明できる書類の提出を求めることがあります」と記載されているのは、こうした人に向けてのことなのです。

ここまで言えばわかると思いますが、実は貸金業者はカードローン契約者の年収を一人ひとり厳密にチェックしているわけではありません。

借り入れ審査において貸金業者が重視しているのは、信用情報機関に記載されている、「他社からの借り入れ」と「これまでの返済実績」であり、年収は借入希望額との釣り合いの参考程度にしか見ていないのです。

ぶっちゃけた例で言えば、30万円借りたい人は、総量規制を超えていなければ、年収200万円だろうが300万円だろうが500万円だろうが何でもいいのです。

ですので、仮に嘘の年収を申告したとしても、そもそも審査官を騙せるような金額では事実との差分は微々たるものであり、ほぼ意味がありません。一方、あまりに大きな金額を申告した場合に、それがそのまま通る可能性は極めて低い反面、発覚した時の損害賠償による金銭的被害と社会的被害が大きすぎて損な行為になるのです。

年収を偽らなくても借り入れ自体は出来ることが多い!

嘘の年収を言わなくても、借り入れできる人は出来ますし、嘘を通しきることが非常に難しい以上、嘘を言わなければ借り入れできないような人は、もとより借り入れすべきではないという結論になります。

リスクを負って年収を水増ししても発覚することが大半なうえ、その場合は単に審査に断られるよりも厳しい状況に置かれます。そうまでして借り入れしたい状況はむしろ稀でしょう。

年収で嘘をついても得なことが殆ど無いどころか、発覚した時のデメリットが多すぎるということをきちんと理解していれば、この行為の馬鹿らしさが理解できると思います。

知っておいてもらいたいのは、数万人の収入情報を見ている担当者が審査の時にわずかでも疑問に思えば、収入証明書の提出を求めてくるということです。そしてこの書類の偽造は文書偽造という重罪であり、こうなってしまったら逃げ切ることは不可能だということです。

そして非常に運に恵まれて、かつリアリティを持たせたこの嘘の申告が通ったとしても、借り入れできる金額がわずかに増えるだけです。借り入れできる事実は変わらないし、その増えた分は、本来1年程度利用していれば、限度額増額という制度によって十分補える額であるということです。

審査官が最も気を付けている収入は、「借り入れが出来るかどうか」という基準です。本来借り入れで断る相手が、嘘をついて借り入れできてしまうということに最も警戒するのが審査官の仕事なので、このラインで嘘を通すのが特に難しいのです。

そして何度も言っているように、その差分以上に限度額が増えるような年収の水増しは必ず発覚するということなのです。これだけ繰り返してもまだ年収水増しをしたい、する理由があるのであれば、相応の覚悟のもと、自己責任で行ってください。

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年収はカードローンの審査の目安!限度額は返済能力以上にはできない

わざと年収を少なく記載する意味はあるのか?

最後に、嘘の収入について補足的な説明として、実際の収入よりもわざと少ない収入を記載することについて触れておきます。

ほとんどする人はいないと思いますが、本来の収入よりも少なく申告すると、どういったペナルティがあるかを知っておきましょう。例えば、本来の収入が600万円あるのに、わざと収入が300万円と申告したというケースです。

基本的には、貸金業者の審査による限度額が低くなるので、支払う金利が増えるのは利用者です。言ってみれば貸金業者側は損をしないので、問題になることはほとんどありません。

しかし、嘘をついて収入額を誤魔化していたという事実が発覚すると、それが事実より低い額だろうが高い額だろうが、その時点で借り入れしていた金額の「一括返済」を求められるということは知っておきましょう。

【参考記事】
カードローンの申し込み審査で嘘はダメ!他社借入状況もバレてます

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